書籍『月まで三キロ』装画の3D模型

 出版社の知人の方から紹介され、書籍の装画(書籍の表紙のためのイラスト:装丁画、ブックカバーイラスト)の立体化に挑戦しました。今回、出版元経由でイラストレータさんのご了解を得ていただきましたので、晴れて公開の運びとなりました。 

 著者の伊与原新さんは、地球惑星科学を専攻したバリバリの理系の方ですが、なんと作家に転身して新田次郎文学賞を受賞するなど第一線で活躍されています。は、六編の短編集で、理系や自然科学に関する蘊蓄が人々の思いへと重ね合わされて、ちょっと切なく心に残る、今風に言うと「エモい」お話から成っています。

 理系の亀泳堂としては、フムフムその蘊蓄は知ってるぞ、いやこれは知らなかった調べてみようかな等と楽しみながらも色々と考えさせられるお話でした。特別公開で、表題作の『月まで三キロ』が全文公開されていますので理系も文系も読んでみましょう

ところで、月まで三キロ?

 物語の中でタクシーの運転手が言います。――「知ってました?」「この先にね、月に一番近い場所があるんですよ」・・・「たった三キロですよ。間違いなく地球上でここが一番月に近い」。――えーっ。月は地球に最も近い天体なのは確かだけれど、地球中心から月中心までの平均距離は38万4,403kmで、地球の赤道半径の約60.27倍のはずです。

 それに、月の直径は3,474kmで中心間の距離が三キロなら月は地球に埋まっているはずです。まあ、月の表面と地球の表面の間の距離が三キロなら埋まりはしないけれど、くっついちゃってるのと同じです。

 確か、富士山の高さが標高3,776mだから、月は富士山に乗っかってめり込んでることになります。

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